心房細動で アブレーションを勧められた方へ

放射線を使わない アブレーションという選択肢があります アブレーションを受ける前に 知っておいてほしいこと 治療の選択肢を説明します

カテーテルアブレーション治療を検討されている方へ

~放射線被ばくと、これからの治療の選択について~

心房細動をはじめとする不整脈を治すための「カテーテルアブレーション」は、心臓の働きを正常に戻すためのとても有効な治療法です。この治療を受けるにあたり、知っておいていただきたい「放射線(X線)の被ばく」について説明します。 安全に、そして納得して治療法を選ぶための大切な知識です。

1.治療では、どれくらいの放射線を浴びるの?

カテーテル(細い管)を心臓まで進めるとき、これまでは体の外からX線(レントゲンと同じ放射線)を当てて、カテーテルの位置を画面に映し出しながら治療を行うのが一般的でした。

私たちが普通に生活していても、宇宙や大地、食べ物などから自然に放射線を浴びており、日本人の平均で年間約2.1ミリシーベルトになります。 一方、従来のアブレーション治療を1回受けたときの放射線量は、施設や手技によって異なりますが、およそ8〜10ミリシーベルト程度と推定されています。また、安全に治療を行うために事前のCT検査などを行うと、さらに十数ミリシーベルトの放射線が加わることがあります。

実は、「日本の医療被ばく線量(医療の検査・治療で浴びる放射線量)は海外に比べ2倍以上」と報告されています。 実際の国の調査でも、日本の心臓CTの被ばく線量は海外(イギリスなど)の2倍以上高いことが分かっています。

アブレーション治療と事前の検査を合わせると、私たちは気づかないうちに、日常生活の自然放射線の数年分から十数年分にあたる量を一度に浴びることになるのです。

2.放射線を浴びると、体にどんな影響があるの?

放射線の体への影響には、大きく分けて「2つのタイプ」があります。

① 一度にたくさん浴びることで起こる影響(確定的影響) 一定の量以上の放射線を浴びると、皮膚のやけどや脱毛などが起こります。このタイプの影響には**「ここまでは大丈夫」というライン(しきい値)**があります。現在のアブレーション治療で浴びる放射線量はこの基準を大きく下回るよう厳しく管理されているため、こうした症状が出ることはまずありません。

② 将来の「がん」などのリスク(確率的影響) ここが一番注意しなければならないポイントです。 アブレーション治療を行っている専門病院のホームページなどを見ると、**「100ミリシーベルト以下ではがんになる危険性が増すという報告はないから、アブレーションの被ばく量なら心配しなくてよい」**と説明されていることがあります。

しかし、この説明は少し注意して読む必要があります。なぜなら、これは「100ミリシーベルトまでは安全だ」という、①の**「確定的影響(しきい値がある)」にとどまった考え方で説明されてしまっている**からです。

現在の国際的なルールでは、将来がんになるリスク(確率的影響)には**「ここまでは安全というライン(しきい値)はない」とされています。つまり、「どんなに少ない量の放射線でも、浴びた量に比例して、将来がんになるリスクはほんの少しずつ上がる」**と考えられているのです(これをLNTモデルと呼びます)。

私たちは長年生きていれば、自然に浴びる放射線だけでも生涯で100ミリシーベルトを超えます。そこに医療での放射線が積み重なると、細胞の遺伝子が傷つく原因がそれだけ増えることになります。そのため、医療の現場では**「放射線は、できる限り少なくする(ALARA(アララ)の原則)**ことが大前提となっています。

3.「被ばくしない」新しい治療法という選択肢

アブレーション治療では放射線を使うのが当たり前でしたが、最近では医療機器が進歩し、**「無透視下(むとうしか)アブレーション」**という治療法ができるようになりました。

これは、放射線(X線)の代わりに、超音波(エコー)や心臓を3D(立体)で作図する特別なシステムを使ってカテーテルの位置を確認し、治療を行う方法です。この方法なら、患者様も、手術をする医師やスタッフも、放射線を全く浴びずに治療を完了することができます。 日本国内でも、安全性や治療の効果は従来の方法と変わらないことが報告されています。

4. あなたの体を守るために

病気を治すために放射線を使う検査や治療は、とても役立つものです。しかし、「被ばくは少なければ少ないほど良い」ということもまた事実です。

これから治療を受けるにあたり、ご自身の人生全体での健康を考えたとき、

  • 従来の放射線(X線)を使った治療
  • 放射線を使わない(無透視下)治療

もし、治療を受ける病院で両方の選択肢があるのなら、どちらを選ぶかをご自身で考えることが大切です。 治療の効果や安全性、またその病院で「無透視下」の治療がどのくらい行われているかなど、気になったことは遠慮せずに担当の医師に質問し、対話をした上で、ご自身が一番納得できる治療法を選んでください。

もしも、「主治医には少し聞きづらい…」と感じておられるなら、

当院をその相談窓口としてお役立てください。

当院は不整脈の専門診療所ですが、薬に頼らない「CBT(認知行動療法)」をベースにした治療を提供しており、院内でのアブレーション治療自体は行っておりません。

しかし一方で、私(院長)自身は別の病院の最前線で、今もアブレーションの執刀を行っています。

あえてこのスタイルをとっているのは、「薬」「CBT」「アブレーション」というすべての選択肢をフラットに比較し、目の前の患者様にとって本当にベストな治療計画を、100%患者様ファーストでご提案したいからです。

当院の無料相談では、私自身の執刀も含め、国内で「放射線被ばくのない(無透視下)アブレーション」の実績がある医師や病院の情報を、専門医の目から客観的にお伝えすることができます。

  • 「今の主治医に聞く前に、一度専門医のフラットな意見を聞いてみたい」
  • 「手術以外の選択肢(CBTなど)も含めて、自分に合う方法を相談したい」

どんな小さなお悩みでも構いません。あなたが一番納得できる選択肢を、一緒に見つけていきましょう。


放射線被ばくのないアブレーション

放射線被ばくのないアブレーションとは、
不整脈治療として行われるカテーテルアブレーションの
術前・術中・術後で放射線被ばくが必要最小限にとどめられる治療です。

通常のカテーテルアブレーションのために
術前から術後まで必要な画像検査は全て超音波検査(必要に応じてMRI)で行うアブレーションです。

従来法

  • 放射線:使用する
  • 患者さんの被ばく:数十〜数百 mGy
  • スタッフの被ばく:鉛入りエプロンで防護

放射線ゼロ法

  • 放射線:使用しない
  • 患者さんの被ばく:0 mGy(被ばくなし)
  • スタッフの被ばく:0 mGy(被ばくなし)

対象となる不整脈は、

  • 心房細動
  • 心房粗動
  • 発作性上室頻拍
  • 心室性期外収縮
  • 心室頻拍

など、すべての頻脈性不整脈です。


心房細動の治療を考えている方へ

心房細動では薬による治療も行われていますが、
十分な効果が得られない場合もあります。

そのためアブレーション治療を勧められる方が増えています。

アブレーションは、
緊急で行われる治療ではありません。

だからこそ、

どんな方法で治療を受けるのか

を知った上で選択することが大切です。

放射線を使わないアブレーションは
放射線による健康障害を避ける方法のひとつです。

治療を受ける前に
この選択肢があることを知っていただきたいと考えています。


院長からのメッセージ

これまで不整脈診療を専門に診療してきました。

アブレーションの効果を最大化し、
リスクを最小化することを目指して、
2015年から放射線を使わないアブレーションを行なっています。

現在は心房細動だけでなく、
すべての頻脈性不整脈を対象に行なっています。

アブレーションを勧められた方に、
放射線を使わない治療という選択肢があることを
知っていただきたいと考えています。

不整脈専門医
覚王山不整脈診療所 院長 川上徹
  • 川上院長のプロフィールはこちら
  • 実績
    • 累計アブレーション件数:3000件超
    • 当診療所院長の川上は放射線ゼロの心房細動アブレーションを2015年に国内で初めて実施
    • 放射線被ばくのないアブレーション件数:1500件超
    • 放射線被ばくのないアブレーションについての活動
      • 論文
      • 学会報告
        • 日本内科学会総会 2016(東京、3月17日〜3月20日)
          「心房細動に対する放射線被曝のないカテーテルアブレーションの安全性について」
        • 日本循環器学会学術集会 2018(大阪、3月23日〜3月25日)
          「The Impact of a Zero-fluoroscopy Approach on the Hospitalization Cost for AF Ablation」
        • 米国不整脈学会年次集会 HRS 2019(サンフランシスコ、5月7日〜5月11日)
          「Ultrasound-guided Sheath Insertion Resolves A Concern Of The Zero Fluoroscopy Ablation」
        • アジア太平洋不整脈学会総会 APHRS 2019(バンコク、10月24日〜10月27日)
          「Zero fluoroscopy ablation for ventricular tachycardia」
        • 欧州不整脈学会 EHRA2020(ウィーンで開催予定もCOVID19のため中止、演題採択のみ)
          「Zero-fluoroscopy ablation with ultrasound-guided sheath insertion」
        • 日本循環器学会学術集会 2021(横浜、3月26日〜3月28日)「Zero Fluoroscopy Ablation of Cardiac Arrhythmias ; A Single Center Experience in Japan」

治療について

当院は薬に頼らない不整脈治療を提供している診療所です。
不整脈に対して認知行動療法を行っています。
薬に頼らない治療としてアブレーション治療を希望される方には放射線被ばくのないアブレーションをご案内しています。
放射線を使わないアブレーションについて、
名古屋だけでなく関東や九州など
遠方から受診される方もいらっしゃいます。

放射線被ばくのないアブレーション治療を希望される方には
当院と連携している協立総合病院で入院治療を受けていただくことが可能です。

退院後の経過については
当院でオンライン診療によるフォローも可能です。


放射線被ばくなく治療できるの?よくある疑問に答えます

放射線ゼロって本当に”0”ですか?
はい。放射線ゼロのアブレーションとは、不整脈治療として行われるカテーテルアブレーションの術前・術中・術後で放射線被ばくが必要最小限にとどめられる治療です。通常のカテーテルアブレーションのために術前から術後まで必要な画像検査は全て超音波検査とMRIで行うアブレーションです。医療機関で治療前と術後3ヶ月目のスクリーニング検査として行われる胸部レントゲン検査は許容する場合があります。
従来の方法と治療の効果は同じですか?
はい同じです。これまでの報告で、術者の経験が一定の基準以上であれば、治療の有効性と安全性に違いはないことが明らかになっています。
高齢者でも受けられますか?
はい。仰向けになって一定時間安静が保てる方であれば治療は可能です。
費用は保険適応ですか?
はい。保険診療として受けていただけます。
どのくらいの時間がかかりますか?
治療対象となる不整脈により異なります。
従来の方法でも問題ないと言われましたが、放射線ゼロでの治療のメリットは何ですか?
放射線ゼロでの治療のメリットはアブレーションによるがん発生リスクがゼロになることです。放射線被ばくが健康に及ぼす影響には、確定的影響と確立的影響があります。「確定的影響」は、一定以上の放射線を浴びると問題が起き始める影響です。この場合の健康障害には、皮膚障害・白内障・脱毛があります。「確率的影響」は、放射線を浴びると影響が出る確率が増える障害です。この場合の健康障害には、がん・染色体異常があります。確率的影響はどの程度、放射線を浴びたら危険なのか、現時点で明らかになっていません。従来の方法は確率的影響による将来の発がんの懸念あります。
アブレーションをやっている病院でも、放射線ゼロでやっていないのは何故ですか?
従来行われてきたアブレーションの方法を習得するだけでなく、放射線ゼロのアブレーションを行うためには心腔内エコーの技術などの習得が必要不可だからです。
放射線ゼロにするのは何故ですか?
放射線被ばくが安全ではないからです。放射線被ばくする業務に従事している人(この場合の放射線被ばくを「職業被ばく」と言います)は、放射線被ばくが定められた基準を超えたらその業務に就いてはいけないことが定められています。放射線を浴びる量を測るとき線量という用語を使います。放射線の被ばく線量が少ないとか被ばく線量が多いとか表現します。放射線被ばくが体に及ぼす影響(被ばく線量と健康障害の関係)が長く調べられてきました。放射線被ばくによる影響には「確定的影響」と「確率的影響」があるという事が明らかになっています。「確定的影響」は、一定以上の放射線を浴びる(一定の被ばく線量を超える)と問題が起き始める影響です。この場合の健康障害には、皮膚障害・白内障・脱毛があります。「確率的影響」は、放射線を浴びると影響が出る確率が増える障害です。この場合の健康障害には、がん・染色体異常があります。確率的影響が生じるのはどの程度の線量からなのか調べられてきましたが、現時点で明らかになっていません。参考となる資料として原爆の被害にあわれた方の長期間にわたる調査では、「悪性腫瘍発生に関して安全な放射線被ばく線量はゼロである」という報告があります。つまり放射線被ばくがゼロであれば、がん発生リスクはありません」ということです。放射線ゼロにするのはアブレーションによるがん発生リスクをゼロにするためです。
沈黙の合併症(サイレント・コンプリケーション)とは何ですか?
2010年代に入って三次元マッピングを使用して、X線を使用せずにカテーテルアブレーションが行われるようになりました。アブレーションに伴う放射線被ばくによるガン発生リスクをゼロにするためです。カテーテルアブレーション時の放射線被ばくを、沈黙の合併症(サイレント・コンプリケーション)を言われる先生もいます。アブレーションの時に放射線を浴びてもすぐに悪性腫瘍が発生するわけではありません。放射線を浴びて体内のDNAが傷ついて、その修復がうまくいかず、そしていつかガンになるリスクがあります。沈黙の合併症(サイレント・コンプリケーション)とは、時間が経過してから出てくる可能性がある合併症という意味です。レイチェル・カーソンが書いた「沈黙の春(サイレント・スプリング)」にかけているのかもしれません。

放射線被ばくのないアブレーションを選択された女性のストーリー

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